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2006 Rd.4 サンマリノGP観戦記

ルノーがまさかの判断ミスを犯した。 といっても、ミハエル・シューマッハーより早く2度目のピットインをしたことではない。 なぜ、アロンソがミハエルより先にピットに入ったのか? 第一スティントで4位を走っていたアロンソは短い給油時間を選択した。 ここで一つの疑問がある。 なぜアロンソは短めのストップを選んだのか? 結果的にアロンソはタイヤ交換に手間取り、9秒も止まってしまった。 バトンやマッサをかわす為に短いストップにする必要はなかった。 結果的に9秒も止まったのに彼らの前に出られたからだ。 通常、後から入ったドライバーは前を走るドライバーより長く走れるだけの燃料を積む。 次のピットストップで前を走るドライバーを抜く為だ。 ほぼ追い抜きが不可能なこのサーキットでは、ピットストップでかわすしかない。 なのに後からピットインしたアロンソはミハエルと同じタイミングで2度目のストップをするだけの、燃料しか積まなかった。 1回目のストップが終了した時点で、アロンソの残りの燃料搭載量はミハエル・シューマッハーとほぼ同じだった。 ここで、ミハエル・シューマッハーとアロンソにとって予想外のことが起こった。 ミハエル・シューマッハーの2セット目のタイヤがタレが激しく、第一スティントよりタイムを1秒以上落とした。 これでアロンソはミハエル・シューマッハーにあっという間に追いついた。 コース上では抜けないアロンソ。 もし同じタイミングでピットインするとミハエルと抜けないと考えたルノー陣営は燃料を2周分残してピットイン。 ルノーとアロンソはそれまでのミハエル・シューマッハーの遅いラップタイムを見て、先にピットインしてもかわせると読んだ。 ところが、ミハエル・シューマッハーはアロンソがピットインした周にスパートした それまで28秒台で走っていたのに、その周だけその前の周より2秒以上もタイムアップしたのだ。 そしてミハエル・シューマッハーはアロンソを鼻の差で抑えてコースへ戻った。 フェラーリのクルーも完璧なピットワークを見せ、ミハエルの素晴らしい走りに応えた。 レースの勝敗が決した瞬間だった。 ミハエル・シューマッハーの3セット目のタイヤはあまりたれることもなく、フィニッシュまで順調に走りきった。 今回のミハエル・シューマッハーの走りは見事だった。 予選では遙かに軽いホンダを抑えポールポジションを獲得。 勝負を決めたこの1周でも素晴らしい走りを見せ、その後アロンソの猛追もかわし、昨年のアメリカGPを除くと2004年 日本GP以来の優勝を飾った。 開幕戦のかたきをとった形だ。 ミハエル・シューマッハーは力が衰えていないことを証明した。 今回のMIDはミハエル・シューマッハーだ。 彼の素晴らしい走りを讃えよう。 だが、ブリヂストンは手放しで喜べない。 ミハエル・シューマッハーの2セット目のグレイニングの原因をつかめなければ。 なぜルノーは1回目の給油を少なくしたのか疑問だ。 長めの給油にしてもバトンとマッサにはかわされる心配はない。 であればきちんと燃料を積んで2回目のストップでミハエルと抜くのが常道だろう。 もちろん、ミハエルの第二スティントが異常に遅かったのは想定外で、それがなければルノーとアロンソは2位でもいいと考えていた節はある。 アロンソは2位の8ポイントをゲットし、ライコネンとの差を広げられたのだから満足なのだろう。 でもやはり不可思議な判断だった。 ▽ホンダまたもピット作業ミス ミハエル・シューマッハーより燃料搭載量がかなり少なかったにも関わらず、ホンダは予選でバトンが二位、バリチェロが三位にしかなれなかった。 このサーキットは事実上、追い抜きが不可能なサーキットなので予選で上位につける作戦自体は悪くない。 しかし、3ストップを実行する為には、軽い燃料の時に他のマシンより速くなければ苦しい。 バトンはそれでもスタートで2位の座を守り、第一スティント終了まではそれをキープした。 だが、またもピット作業でのミスが発生した。 1回目のストップでは給油リグが外れずタイムロス。 2回目のストップでは、ロリポップマンが給油リグが入っているのに、ボードを上げてしまった。 これでバトンのマシンが、リグを付けたまま走り出してしまったのだ。 バトンは走り出してすぐに異変に気づきマシンを止め、ピットへ戻りリグを外して走り出したが、ここで大きなタイムロス。 表彰台のチャンスを逃し、結局7位。 結局、前回のエンジンブローで失った4ポイントを取り戻すことができなかった。 一方のバリチェロは3ストップだったのにもかかわらず、ペースが上がらず10位でフィニッシュ。 給油リグの不調があったようだが、レース中のファーステストラップもバトンより0.7秒も遅いタイムだった。 最近のバリチェロの不調を見ていると、何の為に彼を取ったのかわからない。 ▽モントーヤ初表彰台 モントーヤはミハエルとアロンソについていくことは難しかったが難なく3位をゲット。 彼の今シーズン初表彰台となった。 一方のライコネンは予選でミス。 8位スタートになり、スタートも上手くいかず、トラフィックに引っかかり前に行けない。 このサーキットで8位スタートは厳しい。 結局、5位でフィニッシュしたもののアロンソとの差は開いてしまった。 ▽スーパーアグリ二台リタイヤ スーパーアグリの二台は共にリタイヤしてしまった。 たが、これはいたしかたないだろう。 今までが良すぎたのだ。 しかし、明るい兆しも見えている。 佐藤琢磨は予選でアルバースに0.5秒差に迫るタイムを出す。 これまでは1秒以上はなされていたことを考えると大きな進歩だ。 ここまで井出有治の走りを見てきて、かなり苦戦しているようだ。 ラップタイムは佐藤琢磨に大きく劣る。 今回、琢磨が1分27秒609に対して1分29秒282。 1.5秒の遅れはかなり厳しい。 もちろん弱小チームであるスーパーアグリのテストは、佐藤琢磨が中心になってやらざるを得ない。 井出有治の走る距離が少ないのもよくわかる。 しかし、走る距離が短くてもタイムを出せるのが良いドライバーの証とも言える。 1周目のミッドランドと絡んだシーンは井出に責任があるように見える。 今回のアクシデントは他のドライバーが井出を危険なドライバーとして見なしていることに、有力な証拠を提供するようにならなければいいのだが。 次のGPからサードドライバーとして元ルノーのテストドライバー フランク・モンターニが走る。 あまりにも井出が遅いとモンターニと交代し、サードドライバーとして経験を積むと言うことが考えられる。 井出に残された時間は少ない。

2 thoughts on “2006 Rd.4 サンマリノGP観戦記

  1. ☆彡 たわごと日記 ミ☆

    F1第4戦 サンマリノGP 決勝

    F1第4戦サンマリノGP 決勝(62Laps)がイモラのアウトドローモ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリで行われた。天候:  気温:27℃  路面温度:43℃  風速:0.7m/sスターティンググリッドは、 1.M.シューマッハ(フェラーリ) 2.バトン(ホンダ) 3.バリチェ

  2. 疾風のごとく...

    落日の皇帝だなんて言ったのは誰だい? -サンマリノGP-

    ヨーロッパに帰ってきたF1サーカス。
    ヨーロッパでの開幕の定番になった感のあるイモラで、どんなレースが展開されるのでしょうか。

    イモラ・サーキット
    4.933km×62周=305.609km
    ●コースレコード:1分19秒753
    バトン(2004/B・A・R)
    ●決勝ベストラップ:1

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