目標としていたダブル入賞をしたマクラーレン・ホンダだが素直には喜べない結果となった。
二台のマクラーレン・ホンダはフリー走行から順調で、予選でも二台ともQ3進出。アロンソはサインツをコース上でかわして、トップ3チーム以外では最高順位となる6位でフィニッシュ。
アロンソはサインツをタイヤ交換でアンダーカットしたかったのだが、20秒ほど後方にはパーマーがいて、タイヤ交換した場合、前を塞がれる可能性があった。
またタイヤのタレが少なかったので、フレッシュなタイヤにした場合でも、得られるタイム差が少なくアンダーカットを成功させれるには困難な状況だった。
さらにいうとアロンソの後ろにはペレスがいて、アンダーカット圏内にいた。そのためアロンソはペレスがタイヤ交換した次の周にタイヤ交換へ向かう。だが当然そのタイヤ交換はトロ・ロッソにはバレバレでサインツはアロンソと同時にタイヤ交換して、この時点では順位を守れた。
だがご存知のようにアロンソはこの追い抜きが困難なハンガロリンクで、サインツをオーバーテイク。ほんとうに見事な走りであった。
一方のバンドーンも10位入賞したのだが、こちらは8位の可能性もあっただけに残念であった。8位を失ったのはバンドーンがタイヤ交換の際に止まる位置を大きく過ぎたことが理由である。これによりタイヤ交換に時間がかかり、マッサの後ろでコースに戻る。ペース自体はマッサよりいいのだが、このサーキットの追い抜きが極めて難しく、そのまま10位でレースを終えてしまった。
とはいえこのサーキットでは、トップ3を除けばマクラーレンホンダは速かった。35周目にアロンソが抜いたサインツは、20秒も後にフィニッシュしている。これはアロンソのペースが良かったことの証明になる。レースは70周だったので35周で20秒はかなりの大差である。そのサインツもアロンソのマクラーレンホンダが別次元の速さであったことを認めている。
しかもほとんどトラブルフリーでフリー走行から決勝レースまで走りきった。これはとても大きな進歩である。
だがこれで問題解決とはいえない。ここはパワーがタイムに及ぼす影響が小さいので、パワーユニットの性能が劣っていても、速く走ることは可能である。
問題は夏休み明けの高速二連戦、ベルギーとイタリアGPである。ここはマクラーレン・ホンダがもっとも苦手とするサーキットといってもよく、ここでどのような結果を残せるかが終盤に向かうマクラーレンホンダの結果を左右する、
願わくばホンダがアップデートしたスペック4のパワーユニットを持ち込んでくれることを望みたい。