F1史上最もかっこ悪いマシン伝説1
今年のマシンはかっこ悪い。確かに醜い。それはあのフェルナンド・アロンソも認めている。だが人間は忘れやすい生き物である。昔も今年のマシンに負けず劣らずかっこ悪いマシンは存在した。今年のF1マシンはかっこ悪くてテレビを見る気になれないというあなたに送るF1史上最もかっこ悪いマシン伝説。あなたもこれを見れば今年のマシンはかっこいいときっと思う(はずだ)。
リジエJS5
これ見ると何か間違えたのではないかと思ってしまう。まるでトラックかバンのようである。確かにインダクションポッドは高い位置にある方がいい。
でもね、ものには限界というものがある。ほとんどリアウィングを覆うほど大きなインダクションポッド。これでリアウィングは正常に働いたのであろうか。空気抵抗は大きくなかったのか。今から見ると突っこみ所満載のマシンである。しかしこの大きなインダクションポッドは危険と見なされてシーズン中に車高制限がかけられて禁止された。
今なら大騒ぎになるはずだ。だがこのマシン意外にも速かった。イタリアGPでポールポジションを獲得。そのイタリアとベルギーGPで3位、オーストリアGPで2位になるなどF1参戦初年度としては驚くほどの成績を残している。かっこ悪いマシンでも速かったのである。事実は小説より奇なり。今年のマシンも多少希望が持てるかもしれない。
アルファロメオ177
1979年にアルファロメオは28年ぶりにF1に戻ってきた。1979年まではブラバムにエンジン供給をしてきたが大きく重く燃費が悪い(しかも信頼性の乏しい)アルファロメオのエンジンでは勝てないと悟ったブラバムがフォードコスワースエンジンにスイッチ。
その後、快進撃をしたことはよく知られている。このマシン、なにしろ28年ぶりに復帰したのでその当時のF1の技術水準に追いつけるわけもなく見よう見まねで作ったプロトタイプのようである。このマシンは1979年に3レースだけ参加して次の179へスイッチした。
アルファロメオ179
ところがその179も当時のレベルで考えて、洗練されているとは言えない。今のF1を見慣れていると、この詰め切れていないルーズなパッケージを見るとなにかほのぼのとしたものを感じる。
だがこの当時には既にロータス79はあったし、ウィリアムズFW07も存在していたことを考えると、このデザインは納得しかねる。1979年終盤にデビューしたが1980年には二度の入賞以外は全てリタイヤと競争力以前に信頼性の欠如は甚だしかった。
このマシンはその後タイプB、C、Dと進化し1982年の開幕戦までアルファロメオを支え続けた。
さぁ、あなたはこれでも2014年のマシンは史上最も醜いと言えるだろうか?
Part2へつづく
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