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ハミルトンの不運と幸運 トルコGP観戦記

▽フェラーリのジレンマ 予選で全ての結果が決まったレースでした。 ライコネンは悔しくて仕方ないでしょう。 予選Q3第三セクターでのミスさえなければ、ポールポジションからスタートし優勝していた可能性が高いからです。 マッサは、セクター別のベストタイムはなかったのですが、そつなくまとめてポールポジション。 レースでも、そつなくまとめて優勝しました。 危なかったのは第二スティントでライコネンに迫られた時だけでしたが、すぐにライコネンがピットに向かったので、大きな脅威にはなりませんでした。 二人はチームメイト同士ですから、ピット戦略も筒抜けですし、マッサが先にピットインする状況で、ライコネンができることはあまりありません。 本来であれば、接近してプレッシャーをかけたいところですが、接近するとダウンフォースが減少し運転が難しくなることもあり、リタイヤの許されないライコネンとしては、リスクを冒すわけにはいきませんでした。 今年のライコネンは予選でのミスが多く見受けられます。 予選順位が重要な今年のレースにおいて、このミスはライコネンを追い詰めています。 今後は、フェラーリに有利なサーキットが続きます。 それだけにいかにして取りこぼしを少なくするかが、ポイントとなります。 ところが、今年のフェラーリはランキング下位のドライバーが優勝するという変なジンクスに悩まされています。 その為、なかなかトップとの差を埋めることができません。 フェラーリとしてはどちらか優先して、ハミルトンを追いかけたいところですが、そう言うわけにもいかないようです。 結果として、フェラーリはハミルトンにトラブルでもない限り、逆転することは難しいでしょう。 残りはコンストラクターズを狙うしかなさそうです。 ▽ハミルトンの不運と幸運 三位を順調に走っていたハミルトンに衝撃があったのは44周目でした。 右フロントタイヤのトレッドが完全に剥離していました。 左回りのサーキットであるトルコGPは右タイヤに負荷が大きいのは事実です。 そして、マクレーレンは金曜日にタイヤのトラブルがあったのですが、まさかここまで重大なトラブルになるとは思っていなかったようです。 ピットインを間近に控えてだけに、悔しいトラブルでした。 トラブルの原因は今のところ不明です。 タイヤの品質なのか、内圧なのか、よく分かっていません。 少なくとも破片を拾ったバーストではないと思われるので、今後の原因究明が急がれます。 ただ、大きなトラブルにもかかわらず、幸運な事にハミルトンのマシンは最低限のダメージしか受けませんでした。 その為、二つ順位を落とすだけですみました。 ここでリタイヤとなっていたら、アロンソと1ポイント差となっていただけに、不幸中の幸いともいえる出来事でした。 ここで得た4ポイントは、最終的にチャンピオンシップに重大な意味を持つと思います。 アロンソは予選でトラフィックに引っかかり4位になります。 ダーティーな路面からスタートし、BMWのクビサに先行され、クビサに仕掛けたときに汚い路面でスリップし、ハイドフェルドにも先行を許します。 最初のピットストップでBMWの二台をかわすものの、三位ハミルトンとの差は14秒もあり、4位を受け入れるしかない状況でした そこにハミルトンのトラブルが発生しました。 アロンソからすれば、ハンガリーGPで失ったポイントをいくつかでも取り戻せた感じでしょう。 これでハミルトンとアロンソは5ポイント差。 フェラーリが有利なサーキットが続きますが、この二人のライバルはもはや、フェラーリではありません。 お互いの順位を睨みながらのレースとなります。 ▽好調コバライネンとハイドフェルド コバライネンの調子が上がっています。 今回も四戦連続の入賞で、ついにチームメイトのフィジケラをポイントで逆転しました。 コバライネンの不調は、ブリヂストンタイヤになれないことでした。 ミシュランとタイヤ特性の違うブリヂストンにドライビングを合わせるのに時間がかかりましたが、完全に克服したようです。 ルノーはイタリアGPで、来年のドライバー・ラインアップを発表するそうですが、このままだとコバライネンとピケJrになりそうです。 ただ、リタイヤした二戦以外は全て6位以上で入賞しているハイドフェルドを抜くには時間がかかりそうです。 ハイドフェルドは地味ですが、本当良い仕事をしています。 BMWは来シーズンもハイドフェルドと契約したことを発表しました。 当然の結果ですが、たとえBMWが契約しなくても彼が失業する心配はないでしょう。 ▽光るツゥルーリと冴えないホンダ トヨタのツゥルーリも頑張っています。 ハンドリングにトラブルのあるマシンに乗りながらもQ3へ進出。 スタートでフィジケラにリアから接触されて、最後尾まで落ちますが、そこから追い上げます。 結果的に16位にしかなりませんでしたが、レースを盛り上げてくれました。 順位的にはラルフ・シューマッハーが上位の12位でフィニッシュしたのですが、ツゥルーリの方が光って見えました。 ホンダは予選終了後に、エンジンにトラブルが発生し二台ともエンジン交換しました。 エンジンパワーが落ちていたようです。 シリンダーの中に傷ができていたようなので、ピストンに問題があった可能性もありますが、正確な原因は特定できていません。 トラブルのあったエンジンは日本の本田技術研究所で組み立てら れていたもののようです。 二台ともイギリスのHRDで組み立てられたエンジンに交換しました。 スーパーアグリの二台は、最初からHRDで組み立てられたエンジンを搭載していたので、そのまま出走しました。 エンジンの組み立てを違う場所でしていることは興味深いですね。 何らかの形でエンジン開発が続けられているのでしょうか。 バトンはオーバーテイクもしながら13位まで追い上げました。 レースペースも安定していたのですが、スタート順位が最後列では、これ以上は望めません。 スーパーアグリの佐藤琢磨は原因不明のダウンフォース不足で、Q1で脱落してしまいました。 チームメイトのデイビッドソンがQ2へ進出し、予選11位となっただけに残念な結果です。 11位からスタートのデイビッドソンは初入賞の期待もあったのですが、スタート直後の混乱に巻き込まれ、フロント・ウィングにダメージを負ってしまい14位になるのが精一杯でした。 今年の彼はツキがありません。 スパイカーの山本左近も完走しました。 ピットストップ時にエンジンが止まりながらも、レースに復帰。 スーティル共々、燃圧にトラブルを抱えていました。 順位としては20位ですが、レース中のペースも安定しており本人も納得の走りだったようです。 次はイタリアGP、モンツァでの高速バトルです。 エンジンパワーに差がない中で、どういうレースになるのか楽しみです。

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