佐藤琢磨 他チームのオファー認める
今シーズン、大活躍を見せている佐藤琢磨であるが、彼自身の口から他チームからのオファーがあったこと認めた。
ただし、彼はオファーがあった事実は認めたが、どこのチームからオファーがあったのか、それにどう対応するかは明言を避けた。
しかし、オファーがあったのが事実であれば、チームは自ずと限られてくる。
マクレーレン、フェラーリはあり得ないし、スパイカーやトロロッソもないだろう。
ホンダは他チームとは言い難いし、BMWは候補のドライバーを多く抱えているので琢磨に興味を示すとは考えられない。
ルノーもドライバー変更があれば、ピケJrが第一候補となるから外れる。
となると残るは、レッドブル、トヨタ、ウィリアムズくらいか。
この中で、来シーズンのシートが空く可能性が大きいのは、トヨタとウィリアムズ。
ラルフとブルツの来年のシートはほぼないだろう。
ただ、この二つのチームはトヨタエンジンを使用するチームなので、ホンダの琢磨にオファーするのも考えづらい。
そうなると、クルサードの引退が間近なレッドブルからオファーがあると考えるのが一番適切かもしれない。
スーパーアグリF1にとって、佐藤琢磨はかけがえのないドライバーであることは間違いがない。
彼らと一緒に、琢磨もキャリアをアップさせられれば一番いい。
しかし、佐藤琢磨の30歳という年齢を考えれば、次の移籍が最後のチャンスとなる可能性が高い。
佐藤琢磨が初勝利を目指して、他チームへ移籍するのであれば、残念だが認めてやりたい。
かつて、鈴木亜久里自身がベネトンからオファーがありながら、契約期間中であることを理由に断念した。
片山右京もスポンサーに気を遣い、ベネトンからのオファーを断った。
F1は個人競技である。
確かにマシンを走らせるために、スポンサーやチームには何百人という人のサポートが必要である。
しかし、絶対に勝つという強い個人の意志がなければ、この世界で成功することはできない。
ベンツのジュニアチームの一員だったミハエル・シューマッハーは、一度もマクラーレンに乗ることなく引退した。
日本的な感覚ではあり得ない話しである。
日本では恐らく裏切り者と呼ばれるであろう。
他のマシンを押しのけてまで勝とうとするドライバーも少なからずいる。
その善し悪しは別として、彼らの勝利への執念は注目に値する。
ミハエルは勝つという事だけを基準にチームを選択した。
個人があり、その個人が集まったのが集団であるというのが、彼らの考えである。
一方、日本では集団の中の個人である。
私はこの違いが、個人競技で活躍する日本人の数を少なくしていると思っている。
世界で活躍している個人競技の日本人は、日本的なメンタリティが薄い人が多い。
とても個性的な考えを持っている。
ある意味、勝つこと以外のことは考えていない。
だから、私は日本人がF1で優勝するには、とても強い個人を持っている人が出てこない限り、難しいだろうと思う。
だから、佐藤琢磨がホンダやスポンサーを気に取られる事なく、彼にとってベストの選択をしてもらいたい思う。
そして、それが出来たときには、勝利への階段を一歩上ることになると思うのだ。
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