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2011年レギュレーション解説

JUGEMテーマ:スポーツ いよいよ今シーズンも開幕が迫ってきました。 今年も多くのレギュレーション変更がありました。 その中から影響の大きいと思われるレギュレーションについて紹介します。 【マシン編】 1.Fダクト禁止とDRS導入 2.ピレリタイヤへの変更 3.KERSの再導入 4.マルチディヒューザーの禁止 5.ギアボックス 5戦連続使用 6.最低重量の増加と重量配分の固定 1.Fダクト禁止とDRS導入 創造的なデバイス、Fダクトが禁止された。 その代わりではないが、FIAは可変リアウィングを導入した。 この可変リアウィングはDRS(ドラッグ・リダクション・システム)と呼ばれる。 あるコーナー(通常はストレート前のコーナー)で前を走るマシンの1秒差以内に接近すると、このシステムが使用可能になり、最大50mmのギャップがメインエレメントとフラップ部に現れて、ドラッグを低減し、最高速が増加する。 このシステムは最長600m使用できる。 使用できるエリアはFIAが各サーキットの特徴に合わせて、指定する。 ブレーキを踏んだ場合やスイッチを操作すると、元の位置に戻る。 このシステムはストレートスピードを10Km程度増加させる効果が認められている。 だがこれで追い抜きが増えるかどうかは微妙で、実際にレースをしてみないとわからない。 まず同程度のスピードを持つマシン同士のバトルの場合、コーナー立ち上がりで1秒以内に接近することが難しい。 1秒以内に近づくことができなければ、このシステムを使用することはできない。 ただし明らかに遅いマシンを抜く場合には、有効だろう。 F1では2秒速くても前のマシンを抜くことが難しいサーキットもあるが、そういう場合、このシステムは助けになる。 ちなみにこのシステムフリー走行と予選では自由に使える。 スタート直後の2周やSCアウト直後の2周目終了までは使用することができない。
 2.ピレリタイヤへの変更 このタイヤメーカーの変更が2011年シーズンのバトルに最も大きな影響をもたらすだろう。 14年間活動していたブリヂストンの撤退を受けて、全車がピレリタイヤを装着する。 この新しいピレリタイヤを早い段階から使いこなせるチームが、2011年シーズンをリードしていくだろう。 ただこのピレリタイヤ、当初の予想以上にタイヤのタレが大きい。 しかもある周回数を経過するとタイムの落ちが極端に激しい。 特にリアタイヤのタレは大きく、タイヤが新しいときはアンダーステアでも、ラップを重ねていくと、オーバーステアになるほどである。 その為、レースでは2回以上、おそらくは3回から4回のピットインが必要になるだろう。 タイヤを労って走ることのできるドライバーが有利になる。 各種類のタイヤは、”Pirelli” と “PZero” のロゴが別々の色でサイドウォールに描かれ、認識することできる。 スーパーソフトは赤、ソフトは黄色、ミディアムは白、ハードはシルバーである。 ウエットはオレンジ、インターミディエイトはライトブルーとなる。 3.KERSの再導入 KERSが再導入される。 2010年もレギュレーション上は許されていたが、コスト削減の為KERSを自粛していたが、2011年は復活する。 もともとは2009年より使えるパワーも時間も増加する方向性だったが、一部チームの反対により2009年と同じレベル(1周当たり6.6秒/約80馬力相当)の使用にとどまる。 KERSは新しい3チーム以外は全チーム導入する模様である。 だがこれでオーバーテイクが増えるかどうかは、微妙だ。 というのも各サーキットでKERSを使用できるポイントは事実上決まっており、全部のマシンが同じところでKERSを使えば、アドバンテージはなく理論上、オーバーテイクシーンは増えない。 ピレリのリアタイヤのタレが大きいことも、KERSに影響を与える可能性がある。 リアタイヤが滑り出すとブレーキ時にロックしやすくなる。 KERSはブレーキング時にリアタイヤから充電するシステムであり、リアタイヤがたれてくるとKERSの充電をするとよりリアタイヤがロックしやすくなる。 その為、タイヤがたれてくるとKERSの充電が充分にできず、フルにKERSを使用することができなくなる可能性も考えられる。 4.マルチ・ディヒューザーの禁止 レギュレーションの網の目をくぐり抜け、ブラウンGPをチャンピオンに導いたマルチ・ディフューザーが禁止され、結果として多くのダウンフォースが削減される。 その為、全てのチームの開発目標はこの減ったダウンフォースを取り戻すことが開発の主眼となった。 現状のトレンドはハイノーズ・ローバックである。 多くのチームが採用しているダウンフォース獲得のための手法は、リアエンドを低くすることと、排気ガスの排出位置を工夫することである。 共にディヒューザーの効率アップにより多くのダウンフォースを獲得することを目指している。 前者はウィリアムズが最もスリムなリアセクションを持ち、後者はルノーがサイドポンツーン前部から排気ガスを排出している。 5.2010年、ギアボックスは4戦連続使用が義務づけられていた。 今年は5戦連続使用しなければならない。 これに違反すると5グリッド降格のペナルティである。 ただしシーズン中、最初の違反の場合はペナルティを免れる、例外規定もある。 この例外規定、最終戦には適用されない。 6.最低重量の増加と重量配分の固定 KERS導入に伴う重量増加に対応するため、最低重量が620Kgから640Kgへ引き上げられた。 さらに2011年に限り前後の重量配分が固定される。 指定された最低軸荷重は、前車軸の重量配分が45.5-46.7%、後輪が53.3%-54.5%となる。これは典型的な2010年の荷重より、数%後ろ寄りとなる。 これは新しく採用されたピレリタイヤの特性が不明なため、偶然最適な重量配分を採用したチームが有利にならないための処置である。 【ルール編】 7.107%ルール復活 8.タイヤ規制 9.妨害的ブロックの禁止 10.チームオーダー禁止の解除 7.予選107%ルールの復活 PPタイムより107%以上遅い場合、スターティング・グリッドに着くことができない。 ただしスチュワードが認めた場合は、この限りではない。 これは予選最初の周回でストップし、タイム計測ができない場合の救済措置である。 昨年HRTが107%をクリアできなかったのは意外にも数回である。 とはいえ彼らは安心することはできない。 今年のHRTのマシンはほぼ2010年型であることを考えると、進化した2011年タイプのマシンを相手にする今年は厳しいかもしれない。 8.タイヤルール ドライレースの場合、2種類のタイヤを最低一回は使用しなければならないルールは存続する。 この条件を満たさない場合は、失格となる。 金曜日 2回のフリー走行セッション(P1とP2)ではドライウェザー・タイヤが3セット(「プライム」2セットおよび「オプション」1セット)が割り当てられる。 プライム・タイヤの1セットはP2開始前に返却し、もう1セットはP3開始前に返却しなければならない。 イベントの残りであるP3、予選、レースについては、8セット(プライム4セットとオプション4セット)のタイヤが供給される。 各仕様の1セットは、予選セッション前に返却し、レース中に使用することはできない。 つまりドライバーが予選とレースで使用できるタイヤはプライム3セット、オプション3セットであり、これは2010年と変わらない。 当初は以上のルールだったのだが、ピレリはタイヤに厳しいサーキット(例えばイスタンブール)用のスーパーハードタイヤの供給を検討している。 また金曜日にテスト用のタイヤを追加で供給して、シーズン中のタイヤ開発を進めることも同時に考えている。 9.スポーツマンシップに反する行為の禁止 妨害的ブロックは禁止された。 これは昨年ハンガリーでのミハエル・シューマッハーがバリチェロをブロックした件を想定したルールだろう。 スチュワードは場合によっては失格させたり、出場禁止処分を課すことができる。 ブロック以外にも複数回にわたりショートカットしてアドバンテージを得たり、周回遅れの際に道を譲らない行為も対照となる。 10.チームオーダー禁止の解除 昨年まで存在したチームオーダー禁止のルールがなくなる。 これは昨年のドイツGPでフェラーリのチームオーダーが実行されたことで、現状を追認した形だ。 ただしF1の威厳を損なうような行為は別のルールで禁止されているので、やり方によっては罰則の対象となる場合がある。

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