ホンダが今シーズン終了後に、BARを100%買収するという噂がある。
それによると現在のオーナーであるブリティシュ・アメリカン・タバコはスポンサーとして1年か2年は残るが、残りの株式を全てホンダに譲渡するというのだ。
たばこ広告自体は禁止されるが、マシンのカラーリングを今のまま残せればマーケティング的には充分元が取れるとの判断なのだろう。
もっともこの方法のマーケティングが許されるかどうかは、まだ当局の判断待ちのようだが。
両社は基本的合意に達しているようだが、契約上の問題で今シーズン終了後に発表されるというのだ。
もしこの話しが本当であれば佐藤琢磨にとっては朗報だろう。
現在、チームの株式の40%を保有するホンダはドライバー選択に干渉することが出来る。
来シーズンのドライバーの一人はバリチェロで決まっている。
バトンが残留することが可能であれば、ホンダは間違いなく琢磨よりバトンを選ぶだろう。
問題はバトンがウィリアムズへ行くことになった場合だ。
バトンとウィリアムズとの契約は一分の隙もないらしく、契約解除は不可能な模様。
ウィリアムズはバトンを手放す気はないようなので、バトンはウィリアムズで走る可能性が高い。
そうするともう一人のドライバーが気になる。
琢磨は候補リストには載るだろうが、一番上ではなさそうだ。
琢磨以外ではハイドフェルドが噂に上っている。
もっともBARサイドのハイドフェルド評は芳しくないが。
決して一流チームではないBARをバリチェロが選択し、バトンが一勝もできないBARに固執する理由がホンダの買収としたら納得できる話しではある。
どちらにしてもホンダがBARを完全買収するのは、大歓迎だ。
絶好調だった昨シーズンから言い続けてきたが、今のBARではチャンピオンはおろか勝つことすら難しい。
ホンダが本気で勝つ気があるのならば、BARを完全に買収するしか道がないことを訴え続けてきた。
ホンダがBAR買収したとしてもすぐに結果が出てくることはないだろう。
結果が出るまでに最低でも1年、通常ならば2~3年はかかる。
オーナーが変わっても、人が変わるわけではないからだ。
そこまでホンダが待てるか?
100%腰を入れてやらない限り、今のF1で結果を残すことは難しい。
勝つ為にF1をやっているホンダがBARを買収するのは当然の帰結だろう。
ただエンジン供給だけをするのと、シャシー開発もやるのとでは困難さは比べものにならない。
これはホンダにとって、さらなる苦難の道となるだろう。
しかし、勝利への道がこれしかなければ選択すべき道は一つだ。
彼らが勇気ある決断をし、そして結果を残してくれることを切に願う。