
新年を迎えて希望にあふれるシーズンが始まろうとしている。その2016年シーズンに関して興味のある事柄を10個選び出し、予想していきたい。
まず最初はメルセデスは今年も独走するのであろうか?
通常考えるとメルセデスは二年連続で最速かつ最強であった。通常追いかけるチームはメルセデスのコピーができるので有利である。ところがメルセデスは2014年よりも2015年の方が強かった。
両年ともメルセデスが失ったレースは三つだったが、2014年は信頼性の問題もあったが2015年にはその問題も解決してきて、弱点が少なくなってきた。
また現在のレギュレーションもメルセデスを後押ししてる。今のパワーユニットは開発できる範囲が限られており、最初のパッケージの部分で失敗すると取り返すのが非常に難しい。
以前であればシーズン中に全く新しいエンジンを投入することもできたが、今はそんなことは許されていない。これは追いかけるメーカーとすれば手足を縛られてマラソンを走っているようなものである。
メルセデスの強さの秘密がPUだけでないのは明らかである。彼らはパワーサーキットである高速から低速サーキットまでどこでも速い。しかもその速さの秘密が明らかでない。
2013年までのレッドブルの強みはブロウンディヒューザーにあった。だから他のチームの目標が立てやすかった。メルセデスが何か秘密兵器を持っているのであれば、それさえわかればコピーすれば良い。だがメルセデスは全体のパッケージとして最強である。こうなると追いかけるチームは明確な目標なしに開発をせざるをえず、手探りの開発を強いられてしまう。
そして最後はメルセデスは資金的にも人員的にもトップレベルである。もちろんF1でもお金を持っているチームがいつでも勝つわけではないが、優秀なエンジニアやドライバーと契約するにも多額の資金が必要な時代である。
唯一彼らが心配することと言えば2人のドライバーの確執であろう。昨年はハミルトンが圧勝したので表面化しなかったが、今年どうなるかはわからない。だがそれでもライバルチームが昨年よりメルセデスに接近しない限り、チームメイト同士の争いを利用することは難しい。
こうしてみると残念ながら今年もメルセデスの強さは変わらないと見るのが妥当である。あとは2015年最大のライバルチームであったフェラーリがどこまでキャッチアップしてくるのが注目である。残念ながらレッドブルはPUに弱みを抱えていて苦しく、ホンダがどこまで復活するかは未知数である。