ロズベルグとハミルトン 続く幸運と不運
ロシアGPで勝利したロズベルグはこれで開幕4連勝。今年まだ一ポイントも落としていない。一方、本来ロズベルグのライバルとなるべきはずのハミルトンはまたも不運に見舞われた。
ハミルトンは今回も予選でトラブルを抱えた。Q3でパワーユニットのトラブルで走行できず、予選を10位で終えてしまった。
原因は前回と同じMGU-Hである。前回と今回延べ16台のメルセデス製パワーユニットが走行しているが、そのうち2台がトラブルに見舞われており、その2台共ハミルトンという不運。
現在のF1は品質管理も厳密にされており、同じトラブルが同じドライバーに続けて起こることはとても珍しい。同じ事が他のドライバーに起きても不思議ではないのだが、なぜかハミルトンにばかりトラブルが起きている。
メルセデスの調査によるとまだ原因を特定できていないのだが、ハミルトン特有のセッティングやドライビングに起因していることではないらしい。ただハミルトンの責任ではないトラブルであるが、それでも10位スタートは動かない。
今回はスタートもアクシデントに巻き込まれず、レース中にトラブルもなく、2位になれたことはダメージコントロールという面ではよかった。
だがそれで満足するようなハミルトンでないことも、表彰台での態度を見れば明らかである。
ハミルトンはスタート直後の混乱を切り抜けいきなり5位に上がると、1台ずつ抜いていき、2位に上がる。だがこの時点でロズベルグは10秒以上の差を築いており、ハミルトンがプッシュを続けて差を6秒近くまで詰めると、すかさず反撃して差を10秒以上に戻した。
その時点でハミルトンは水圧が下がるトラブルに見舞われたため、ロズベルグを追うよりも3位のライコネンとの差を管理する必要に迫られた。幸いなことにハミルトンのトラブルは深刻にはならず、2位でのフィニッシュはできた。
このような不運がいつまでも続くとは思えないが、問題はその間にロズベルグはポイントの取りこぼしが一点もなく、ハミルトンとのポイント差を着々と築き上げていることである。これがハミルトン自身のトラブル以上に彼を苛立たせている。
問題は勝てない流れになったときにロズベルグが我慢してポイント稼ぐことに徹することができるかである。圧倒的なアドバンテージがあるときに崩れるのは、必ず自滅であるから。
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