
このレースでもスタートが大きな意味を持った。ポールからスタートしたロズベルグの蹴り出しが一瞬鈍った隙をハミルトンがつきトップに立つ。
レッドブルは金曜日フリー走行のロングランで速いペースを見せており、ここでトップに立てていればレッドブルの勝利もありえた。
実際にロズベルグはフェルスタッペンを抜きあぐねた結果、ペナルティーを受けて4位に終わっている。昨年までのレースでは見られない光景である。
少なくとも現時点でメルセデスとライバルのパワーユニットの性能差はかなり縮まっていると考えていいだろう。ライバルチームが勝てない最大の理由が予選である。
とにかく予選でのメルセデスの速さは別格である。ライバルとの差は縮まってきてはいるが、予選では誰もメルセデスにかなわない。
レースペースではメルセデスに対抗できるので、レースで1度でも前に行ければ勝てる可能性があるのだが、予選で3位以下になるとそれはかなり難しくなってしまう。せめて予選2位のポジションが必要になるが、ほとんどのレースでフロントロウはメルセデスの指定席である。
シーズン序盤こそメルセデスがスタートに苦しんだので、ライバルも付け入る隙があったが、ドイツGPみたいに一度ハミルトンに前に出られるともう手も足も出ない。
ハミルトンの走りには無駄がないし、差を詰められれば、すぐに引き離す速さもある。
ライバルチームがメルセデスに勝つには、彼らの予選の壁を打ち破らなければならないが、それはとても高い壁なのである。