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ウィリアムズの新車から見る2014年マシンのトレンド

ウィリアムズの新型マシンの画像が公開され、2014年の新マシンのトレンドが見えてきた。 まず外観上ではフロントノーズの形状が大きく変わった。シャシー先端の高さが625mmから525mmに引き下げられ、さらにフロントノーズの位置が低く定められた。だが今年は空力のレギュレーションも大幅に変わり、ダウンフォースの量が減少することが明らかである。 これまでチームはこのような場合、フロントノーズの位置を高くして対応してきた。基本的にフロントノーズの位置を高くして、多くの空気をマシン下面に取り込むとダウンフォース獲得には有利である。だが今年はレギュレーションでそれが禁止され、ノーズの位置を低くしなければならない。その解決策が今回のアリクイノーズである。 これは2012年の段差ノーズの際と同じである。ただ段差ノーズの見た目は目立つが空力的にはそれほど敏感な場所でもないので、放置するチーム多かった。だがフロントノーズの処理はマシン全体の空力の効率に大きく関係するので、このデザインには別の解決策を持ち込むチームもあると見られる。またシャシー高の変更は、フロント・サスペンション・ジオメトリに大きな影響を与える。 もうひとつ違いは、縦に短くなったリア・ウィングで、2014年はフラップの高さが縦220mmから200mmに引き下げられ、薄くなった。 次に目立つのはサイドポンツーンの大型化である。これもパワーユニットが大きく変わったことが関係している。エンジンの排気量は2.4Lから1.6Lに削減されいて、エンジン単体に必要な冷却容量は大きく減っている。だが今回はそれ以外にバッテリーやモーターや発電機のパワーが上昇しているので、その分の熱量が増え冷却容量が増加している。 更にターボが装着されていて、圧縮された高音の空気をインタークーラーで冷やす必要がある。なぜなら空気は冷やせば密度が増し、より多くの空気をシリンダー内に送り込むことができ、そうするとよりパワーを引き出すことができる。またサイドポッドは、新しいパワーユニットの冷却能力増加とは別に義務づけられた大きな可変クラッシュ構造を装備するため、2014年はサイズが大きくなる。 もうひとつ外観上で気になるのが、ドライバーの頭の後ろにある空気の取り込み口である。通常ターボエンジンだとターボの羽で空気を圧縮するので、このような空気取り込み口は必要がない。自然吸気のエンジンだとここに高速の空気を押し込んで、気圧を高めることにより、多くの空気をエンジン内に送り込み、トルクを増やすことができた。だがターボになり不必要になったこの空気取り込み口は残った。それは先ほどの冷却と関係している。今年のマシンは冷却をどうするのかが一つの鍵である。しかもマシンのこの位置は、ドライバーの頭部を保護するためのロールフループが義務づけられている。その為、この位置の穴を撤去しても後ろへ流れる空気はそれほどきれいに流れない。そう考えて残して冷却に使った方が有利と判断されたのだろう。 フロントウィングの幅が減少されている。今まではフロントタイヤの外側にあったウィングの端が、タイヤの真ん中あたりに位置している。昨年まではフロントウィングで前からくる空気を上と外側にはじいてフロントタイヤに当たらないようにしたが、今年はこの処理をどうするのか重要なポイントである。ウィリアムズの画像を見ると、昨年までと同じような処理にしている。 リアウィングの下にあった、ビームウィングは撤去されている。これもディヒューザーの効率を考えると非常に大きな変更である。これに関してはリアの真ん中に、通称モンキーシートと呼ばれている小型のウィングを装着して対処している。ただこれだけでは大きなゲインは得られない。さらにエキゾーストの出口をこのモンキーシートの直前に出して、エキゾーストのパワーを利用しようとしているが、今年はターボエンジンになり、排気のエネルギーが大幅に削減されるので、これも効果は限定的である。 大きな変更点はあるが、空力の考え方に大きな変更点は見られない。FW36と昨年のFW35を見るとフロントノーズの形状こそ大きく違うが、その他の処理は同様の考え方でされているのがわかる。 だがこのウィリアムズの画像はあくまでもマシンの製作を始めた段階でのプロトタイプである。当然、テストの時には新しいパーツが持ち込まれるし、開幕戦には別の空力パッケージが持ち込まれる。

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