ロータスのオーナーであるジニ・キャピタルはヨタ・デバイス・カンパニーへ株式の売却で合意した。だがこの取り引きは少し疑問がある。
イギリスのエンストンに本拠地を置くロータスは、先週ヨタフォンとのスポンサー契約を発表したばかりである。ヨタフォンのロゴはフロントウィングのエンドプレートに掲載されている。
携帯電話のブランド強化の為のスポンサー契約とは別に、ヨタデバイスは少数の株式を購入した。購入した株式数は明らかでないが、関係者によると10%程度とみられる。
ロータスからの発表はないが、ヨタデバイスは投資計画を含むチームとの協力関係を、ヨタデバイスの広報担当者は明らかにしている。
「これはスポンサーシップではない。我々は株式を購入した」キリル・ルビニンは語った。
彼は投資の目的は、F1のテクノロジーを我々のビジネス活動に役立てるためであると述べた。
「目的はシンプルで、F1は非常に優れたエンジニアリング技術を持つ。だからF1からITへ何がもってこられるかみてみたい」
ジニ・キャピタルは100%の株式を所有していたが、昨年始めに投資家に2%の株式を譲渡している。
だがこの発表はどうも信用性に乏しい。本来このような発表は両社が同時に発表する類いのリリースである。それをロシア企業側が一方的に発表するのは、おかしい。
たとえこの合意が真実であっても、ロシア企業が資金をロータス側に支払うかどうかは、また別問題である。ロシア企業は契約を守らないことでも有名で、あまり信用力がない。昨年、ザウバーがロシア企業の投資を受け入れると発表したが、その後は全く何もおこらなかった。今回も同じ結末になっても驚きはしない。
またF1には優れたテクノロジーがあるのは事実ではあるが、それは携帯電話とは別の種類のテクノロジーであり、F1から携帯電話へ移設できる技術が多くあるとも思えない。
ロシア企業と投資の交渉をしなければならないほど、ロータスの経営状況は悪化しているのであろう。