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衝撃の4位入賞 トロロッソ・ホンダ バーレーンGP観戦記

そしてこの上位三台の次がトロロッソ・ホンダのガスリーというのであるから驚くしかない。上位三台はフェラーリとメルセデスであるから、これは実質Bグループでの優勝と言ってもいい。
 
もちろんこの4位はレッドブル二台とライコネンのリタイヤに助けられたことは間違いがない。それでもこの日、トロロッソ・ホンダはトップ3以外では最速だった。しかも直線部分の多いセクター1のタイムで上位に食い込んでいた。これはホンダのPUが性能を発揮していると言うことである。
 
正直、トロロッソ規模のチームで言えば、これ以上の順位はのぞめない。それほどの金星だった。
 
この結果には多くの要素が絡まってはいるが、まずはホンダを褒めたい。この観戦記でホンダを褒めるなんて何年ぶりやろという感じであるが、それほど素晴らしい働きぶりを見せてくれた。
 
オーストラリアでMGU-Kにトラブルが出て、パーツを日本に送って検査をした。ここまでは当然の話である。だがここからのホンダは素晴らしかった。なんと次のGPまで移動時間も考えると実質1週間しかないのに原因を突き止めて対策を施したMGU-Kを送り出したのである。
 
正直時間もないので対策までは無理だろうなと考えていただけにこれは驚きだった。もちろんこの交換によりシーズン中にペナルティーを受ける可能性が高くなったのだが、それでもこれは投入する価値のあるMGU-Kだった。
 
しかもバーレーンは4本のストレートを低速コーナーで繋げたレイアウトであり、特にセクター1は二本のストレートがある。そこでトロロッソホンダは上位勢に迫るタイムを出せていた。
 
シャシー側も新しい空力アップデートのパーツを持ち込み、効果を出していた。このアップデートはドラッグを減らしつつダウンフォースを稼げるものである。
 
ただ本来ならばこのアップデートは開幕戦に持ち込みたい。ここがトロロッソとトップチームとの能力の差ともいえるのだが、それは規模が違うので仕方がない。
 
前回は予選でミスをしたガスリーも今回は予選決勝とも素晴らしい走りを見せてくれた。これまでドライバーの能力に疑問符をつけてきたが、これで突き抜けてくれればいいのだが。
 
もっとも次戦以降も毎回この順位を狙えるわけではない。今回はレッドブルとライコネンにトラブルがあったからの4位である。
 
だがトロロッソが自分達の走りができれば毎レース入賞を狙うことは可能だろう。だが中団グループの戦いは激しく、ほんの少しのミスも許されない。そこがどうできるかが今後のポイントである。
 
これでまたレッドブルホンダ誕生へ一歩前進したと言える。