2014年のF1は昨年より遅くなると予想されていたが、意外と速そうである。
ニコ・ロズベルグはテスト最終日に1分33秒283というタイムを記録した。これは彼の2013年のポール・ポジション・タイム1分32秒330からわずかに0.9秒遅いだけである。
これは理由がある。今年のマシンはビームウィングが廃止され、排気ガスの吹きつけが禁止され、リアウィングの上下幅が制限され、ダウンフォースが減少したことによりコーナーで遅くなっている。だがその分、ドラッグも減っているのでストレートスピードは速い。
バーレーンでフェラーリのアロンソは336km/hを記録。昨年のF1バーレーンGPでのトップスピードは314km/hだった。約20km/hのアップとなっている。
しかもこれはまだプレシーズンテスト2回目が終わったばかりである。開幕戦に持ち込む最新パッケージは今週開催される第2次バーレーンテストでテストされ、さらにスピードアップが期待できる。
パワーユニットも今後、洗練されてくることが予想され、今年もシーズンが終わる頃には、昨年より速いマシンを実現できそうである。
一時期はGP2より遅いと言われていたが、これでF1は世界ナンバーワンの座を守れそうである。
ただしレース距離を走るとなると話は別である。今年はレース距離を100kgの燃料で走りきらなければならない。もちろんそれをサポートするエネルギー回収システムはあるが、それでも挑戦的な数字であるのは間違いがない。1周のタイムは昨年までと遜色はないが、レース距離を走るタイムは最速タイムより8秒も遅い。昨年までは予選と決勝のタイム差は3秒から5秒程度なので改善が必要である。
昨年まではレース終盤に燃料が軽くなり速くなったが、今年は燃料の残量が厳しくなり、遅くなるケースも見られそうである。