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2014 Rd.1オーストラリアGP観戦記2 メルセデスの強さと弱さ

開幕戦でニコ・ロズベルグが独走して、今年初めてのレースで勝利を収めた。だがこのまま彼らが独走できるかどうかは、まだわからない。 リタイヤしたハミルトンだが、下を向く必要はひとつもない。優勝したロズベルグのペースはライバルを圧倒しており、少なくとも1秒はアドバンテージある。これは昨年までのレッドブルを思わせる強さである。さらに2009年のブラウンGPの強さすら思い出させる速さである。 だが彼らも弱点でがないわけでもない。ハミルトンはエンジンが2気筒死んでおり、エンジンにダメージを与えないようにリタイヤした。プレシーズンテストから速さと信頼性を見せているメルセデスでも、トラブルとは無縁ではない。 またギアボックスのトラブルも多い。これはテストの時にも発生していた現象である。今年のパワーユニットはトルクが増えていて、駆動系への負荷も増している。にも関わらずギアのサイズや重量に制限があり、信頼性を確保するのが難しい。 このトラブルは彼らが他よりも大きなトルクを生み出していることの証明かもしれないが、早く問題を解決したい。だが6レースはギアを交換する事ができないので、解決策があっても適応できるのはまだ先の話である。 少なくとも彼らのアドバンテージは開幕4戦のフライアウェイシリーズでは揺るぎない。だからこの4戦でしっかりと勝利してポイントを確保しなければならない。今、アドバンテージがあるからと言ってシーズン通して速いとは限らないのが、F1世界の厳しい掟である。 開幕4連勝ができればシーズンを通じて余裕を持って戦えるし、その先にはチャンピオンも見えてくる。 彼らのもう一つの心配は2人の優れたドライバーである。このアドバンテージのある時期に2人のドライバーが交互に勝利するのはチームから見ると好ましくない。チャンピオンだけを考えると1人にポイントが集中することが望ましい。そしてベッテルとレッドブルが完全復活する前にできるだけリードしておきたい。 だがこの2人の優れたドライバーは共に戦うだろうし、チームもそれを認めるだろう。そうなれば、この優れた状況が逆に彼らの弱点になる可能性もある。

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