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アロンソとライコネンの微妙な関係

来シーズン、ライコネンがアロンソのチームメイトになる。彼らは共に優れたドライバーである。その為、2人がうまくやっていけるかどうか心配する声もあるようだが、私は全く問題がないと思っている。少なくとも表面的には。  そもそもライコネンは政治的に立ち回るタイプのドライバーではなく、これまで所属したどのチームでもチームメイトのドライバーと問題を起こしたことがない。 しかも2008年、マッサがチャンピオン争いをしていたシーズン終盤には、マッサをアシストする動きも見せている。マクラーレンではあの暴れん坊将軍モントーヤともうまくやっている。 もっともライコネンと彼のチームメイトの仲が良かったということもない。つまりライコネンはチームメイトには、興味がないのだ。彼が興味があるのは、F1マシンをドライブすること。それ以外に興味のないライコネンは、チームメイトと仲が良くなることもなければ、仲が悪くなることもない。 そういうわけなので、ライコネンとアロンソの来年の関係については全く心配していない。 ただこれをアロンソサイドからだと違う見方ができる。 アロンソが速いチームメイトを嫌うのは、それがチャンピオン獲得の障害になることをよく理解しているからだ。ただでさえベッテルとレッドブルは強敵なのに、それ以外にチームメイトとポイントを分け合っていてはチャンピオン獲得は夢のまた夢になる。F1のチャンピオン争いは非常に熾烈である。ほとんどの年は数ポイント差で決まる。1ポイント差で決まることも珍しくない。そういう状況でチームメイトとポイントを奪い合っていては、ライバルに有利になる。アロンソはそれを誰よりも理解しているので、ライコネンの加入に反対しているだけである。別にアロンソがライコネンを嫌いというわけではない。逆にアロンソはライコネンの才能を理解しており、尊敬さえしているだろう。 来年の2人の関係に心配はいらないが、チャンピオンシップだけを考えれば、ベッテルに有利な展開だ。もっともリカルドがベッテルを脅かすくらいの存在になればまた話は別だが、レッドブルは完全にベッテル中心の体制で臨んでくるので、来年もまたアロンソは厳しい戦いを強いられそうである。もっともそれで諦めるアロンソではない。ただ彼にとって将来的なフェラーリからの離脱も視野に入って来たことは間違いないだろう。

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