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マクラーレン 疑惑の秘密兵器

マクラーレンのリア部分が物議を醸し出している。これは合法なのか?違法なのか?   マクラーレンの新車MP4-29を後ろからのぞき込むと、明らかに他のマシンとは違って見える。彼らはリアサスペンションアームを加工し、ウィング形状にしてきている。これは直接的にダウンフォースを獲得すると言うよりも、ディフューザーの効率を高めるために使用していると思われる。 元々、昨年までこの位置にはビームウィングという、リアウィングとディフューザーの間に設置されたウィングがあったのだが、今年はレギュレーションで禁止された。これはディフューザー上面の気圧を下げて、ディフューザーの効率を上げるためのアイテムであった。これが禁止されたことで、ディフューザーが発生するダウンフォース量は減少している。 だがある関係者によるとこのサスペンションアームは8個のエレメントからなっているという。サスペンションアームは6個以下のエレメントでなくてはいけないと規定されているので、もしこれが事実であれば違反である。さらにサスペンションアームにはサイズの規定があり、これだけ幅の広いアームはこれも違反となる可能性が高い。 だが当然、マクラーレンはこのパーツを開発するにあたりFIAに入念な確認を取っているはずである。ということは書面での確認はOKとなっている可能性が高い。となるとこのウィングはサスペンションアームではないと解釈されているのかもしれない。 ちなみにテストではレギュレーションに合致しないパーツをつけて走行しても、全く問題はない。 このパーツの写真を見ただけだが、これはとても効果があるように思える。もしこれが規約をクリアしているのであれば、他のマシンも必ず模倣してくるだろう。だが問題はこれがサスペンションアームという強度が必要な部品なので、開発には時間がかかると思われる。逆にマクラーレンとしては、急に禁止すると言われても、すぐに交換できる部品ではないので最悪の場合、レースで走行できない可能性もある。バトンはテスト2日目に全体のベストタイムを記録している。 FIAは開幕までにこの問題を明確にするのであろうか。それともあくまでも開発中のマシンに関しては白黒つけずに、抗議は開幕戦で受けるつもりなのだろうか。もし後者なら他のチームは、規約をクリアした時に備えて、開幕までに更に忙しい日々を過ごしそうである。 これは2009年 ブラウンGPが搭載して圧倒的なパフォーマンスを見せた、2階建てのダブル・ディフューザーを思い起こさせる騒動を巻き起こしそうである。

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