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2006 Rd.6 スペインGP観戦記

▽アロンソ完勝 アロンソが地元ファン13万人の前で、ミハエル・シューマッハーを完膚無きまでにたたきつぶした。 金曜日から好調を持続していたミハエル・シューマッハーだったが、勝てるチャンスは全くなかった。 さて、その二人の戦いを予選にさかのぼってみてみよう。 予選では燃料搭載量を少なくしたアロンソがポール・ポジション。 2番手には同じくルノーのフィジケラ。 ミハエルはルノーより多くの燃料を積み、3番手にとどまる。 だが、ミハエルは3番手スタートでも勝てる自信があった。 金曜日からフェラーリはロングランでのタイムの落ち方が少なく、明らかにブリヂストンタイヤはミシュランより優位に立っていた。 だからルノーはフェラーリに前でスタートされると勝ち目がないと考え、軽めの搭載量にしてきたと考えられる。 しかし、この予想は裏切られることになる。 変化した路面コンディションがブリヂストンのアドバンテージを消し去ったのだ。 日曜日の気温は金曜日、土曜日よりも高く、路面温度も高くなってしまった。 さらにラバーグリップがのってきた路面が、ミシュランに優位に働いた。 特にミハエル・シューマッハーの最初のタイヤセットが良くなかった。 アンダーステアがきつくペースが上がらない。 二位のフィジケラについていくのがやっとで、とてもアロンソを追う余裕はなかった。 ミハエル・シューマッハーは、この第一スティントでアロンソに決定的な差を付けられた。 それでもフィジケラよりも5周遅くピットインをし、この間にタイムを稼ぎ、フィジケラをかわし二位には浮上した。 第二スティントと第三スティントで、ミハエルのペースは回復したが、それでもベストなハンドリングには遠くおよばない。 アロンソに差を広げられないようにするのが精一杯で、差を詰められない。 アロンソが完全にレースをコントロールしていた。 結局、ミハエルは第一スティントで失った10秒を最後まで取り返すことができず、敗れた。 まったくアロンソに対抗することができなかった。 ミハエル・シューマッハーの完敗だった。 ヨーロッパGPとスペインGPで、ミシュランは固すぎるタイヤを持ち込んだ為、ブリヂストンが優位にたっていた。 実際にフェラーリはブリヂストンが持ち込んだ、最もハードなタイヤを選んだ。 しかし、日曜日は金曜日や土曜日と路面コンディションが変わり、ブリヂストンタイヤの優位性が吹き飛んでしまった。 それでもミハエル・シューマッハーはアロンソ以外には負けていないので、決して悪い結果ではない。 しかし負けた相手は、絶対に負けたくないアロンソだったから、彼の不満は高かった。 それがレース後の記者会見で見られた。 記者会見のミハエル・シューマッハーはいらだちを隠せなかった。 レース前に勝てるという自信があっただけに、ショックだったのだろう。 アロンソは地元でのレースをポール・ポジションからスタートし、ほぼ独走でスペインGP初優勝を飾った。 ミハエルを圧倒しての優勝で、至福の瞬間だった。 この優勝はフェラーリに対してかなりの衝撃を与えただろう。 ここ二戦ミハエルが連勝し、フェラーリは自信を深めていた矢先の勝利だったからだ。 3位はフィジケラ、4位はマッサで、このレースもルノーとフェラーリ以外は全く問題外となってしまった。 ▽苦しむホンダ、マクレーレン、トヨタ ホンダはバトンが6位、バリチェロが7位で今シーズン初のダブル入賞。 しかし、まったく喜べない。 バトンは予選で失速し、8番手スタート。 レースでも第一スティントで遅かったバリチェロに押さえ込まれて、ペースが上がらない。 第二、第三スティントでは、まずまずのペースで走れたので、予選で5位あたりにつけられていたら、フィジケラと三位争いもできたが、どちらにせよアロンソには遠く届かなかった。 次回のモナコGPは特殊なコース。 空力の弱点が隠れるので二人のドライバーの頑張り次第で、ある程度の成績は残せるだろう。 しかし、大きなバージョンアップをほどこさないと、残りのシーズンは厳しい。 同じくマクレーレンもルノーとフェラーリには全く追いつけなかった。 ライコネンは淡々とレースを走りきり、5位入賞。 このマクラーレンのパフォーマンスが、ライコネンの来シーズンにどのような影響を与えるか注目だ。 ミハエル・シューマッハーのフェラーリ残留が濃厚なだけに、この成績で満足できないライコネンはどうするのか。 ルノーのブリアトーレは、ライコネンとの接触を否定しているが、彼が全て本当のことを話すとも思えない。 マクレーレン、ルノーが早めの、ドライバーラインアップ発表を表明しているので、この問題に決着がつくのも遠い日のことではない。 トヨタも冴えないレースとなってしまった。 よりによってチームメイト同士で、接触。 VTRを見る限り、ラルフ・シューマッハーが無理して止まりきれなかったように見える。 シーズン中盤にデビューすると見られる、Bタイプに期待するしかないようだが、劇的な変化は望めないだろう。 元々、TF106はTF105BをV8バージョンにしたようなマシンである。 その為、チームは開幕前からBタイプの登場を予告していた。 今のマシンはマクレーレン風にフロント・サスペンションのロア・アームを持ち上がったノーズに直接、取り付けている。 これは、空力的なメリットは多いのだが、フロント・サスペンションが上手く動かないことが多い。 結果的に固めのセッティングにすることにより問題を解決しようとするのだが、路面への追従性が損なわれている。 実は昨年のマクレーレンも、この問題で悩んでいた。 ただ彼らは4戦目でサスペンションの取り付け位置を変更するという大手術を経て、最速マシンを手にした。 果たしてトヨタのBタイプはどこまで改良されるのだろうか。 ▽攻めるスーパーアグリ スーパーアグリは今回、佐藤琢磨が17位で完走した。 ヨーロッパラウンドに入ってから、スーパーアグリF1はリタイヤが続いた。 それには理由がある。 最初の三戦はとにかく走るだけで精一杯だったが、ヨーロッパラウンドで競争力をアップさせる為の改良を少しづつではあるが加えてきている。 徐々にではあるが、攻めてきているのだ。 それはフリー走行や予選でのタイムに表れている。 ミッドランドとのタイム差が縮まってきている。 しかし、その分トラブルの発生も増えている。 スーパーアグリF1は少人数で開発を進めているので、合同テストへの参加も毎回というわけにはいかない。 いきおい、ニューパーツの投入もテストなしのぶっつけ本番ということも多い。 それでトラブルの数も増えてきている。 だから、最近のトラブル続発はそれほど心配することはない。 前進する為には避けては通れない道なのだ。 ただし、これからはそうはいかない。 フランスGPでのSA06投入が濃厚になってきたからだ。 小さなスーパーアグリF1ではSA05とSA06を同時に開発することはできない。 よってこれからはSA06開発に専念し、SA05はこれ以上開発しない状況となる。

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