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レッドブル 驚速の秘密2

166987979_PG_3949_3F966FCEC9158257FE5FF1008D3E9702-s のコピー どうしてレッドブルは速いのだろうか?それには当然いくつかの理由がある。 まずはかつて騒がれたフレキシブル・ウィングについて。その為に、何回か規約が変更されて、より重いおもりを使っての耐荷重テストがおこなわれたが、何の違反も発見されなかった。というのもレッドブルのフロントウィングは、たわむのではないからである。彼らマシンに極端な前進角であるレーキ角がついているのは、ご存じであろう。通常のF1マシンは平均的にフロントで20mm、リアで70mmの地上高がある。レッドブルはこれらよりフロントで5mm低く、リアで10mm高い。 通常、最低地上高をはかる時は、マシンの基準面(リファレンスプレーン:以下RFと略)から計測する。マシンの基準面とはマシンの一番地面に近い段差になったフロアである。つまり計測する時は平らなステップドフロアの高さを基準として、フロントウィングの高さを測る。ステップドフロアを地面と平行状態において、計測する。計測後、レッドブルはレーキ角がついているので、マシンを地面に置くと、当然後ろ上がりの前下がりになる。当然、フロントウィングの高さは計測時よりも低くなる。単純すぎて笑ってしまう話であるが、真実である。だからどんなにフロントウィングの耐荷重テストの重さを重くしても、違反になるわけがないのである。 次にどうしてレッドブルが極端なレーキ角をつけているのか?それも単純で後ろをあげた方が、ディヒューザーの効果が上がるからだ。今のF1でディヒューザーは全ダウンフォースの40%から50%を作り出す、最重要部品。この理屈も単純で、2009年に騒がれたダブル・ディヒューザーと同じである。この年、ディヒューザーの高さを制限された複数のチームは、通常のディヒューザーの上にもう一つのディヒューザーを設置して、規則の網の目をくぐった。FIAがディヒューザーの高さを制限した理由は、そうすればダウンフォースが減るからである。だからチームはディヒューザーの高さを上げるために、一段高い位置にディヒューザーを設置して、高さを稼いだのである。 レッドブルがリアの地上高を上げているのも同じ理屈で、ディヒューザーを高く跳ね上げると、ダウンフォースが増えるからである。ただ他のチームがレッドブルほど、レーキ角をつけられない理由も当然ある。まず一つにディヒューザーを高く跳ね上げると、周りから、特にリアタイヤが乱した遅い空気がディヒューザーの後ろに回り込みダウンフォースを減らす。だがレッドブルはこれをエキゾーストを吹き付けて、はじき出し、一種のシールドをすることで、防いでいる。 また後ろを高くすると、ブレーキング時にリアのダウンフォースが減少し、不安定になる。ではレッドブルはそれをどう回避しているのだろうか? これもエキゾーストブローで回避している。彼らはブレーキングする時に、リアブレーキの空気取り入れ口に設置されたウィング上のパーツに吹きかけて、減少するダウンフォースを補っている。これを真似するのが難しいから、他のチームはレッドブルほどはレーキ角を付けられないのである。もちろんパーツの形を真似することはできるが、どのタイミングでどの方向に、どれだけの排気ガスを吹き付けるかは、目に見えないので真似ができない。 オフスロットルのブローは制限されて、昔ほどの効果はなくなったが、それでもレッドブルは制限内でこれを活用している。これを実現するには、開発に多く時間が必要になるし、時間をかけてもうまくいくかの保証はない。だから他のチームはなかなか、同じ事をできないのである。毎年レッドブルはこのスロットブローを制限されて、シーズンの前半は苦戦する。しかし、諦めずに開発することにより、シーズン後半には威力を発揮する。 彼らは昨年もシーズン後半に圧倒的速さを見せたし、今年も同じだった。彼らは自分の信じたコンセプトを貫き通して、成功したのである。

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