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2013総集編 技術編1 エキゾーストを制する者は世界を征す

F1 Grand Prix of Japan - Previews 今シーズンで特徴的だったことある。それはレッドブルとザウバーが夏休み明けから急に速くなったことである。これには当然、理由がある。 彼らは夏休み明けに新しいリアのボディを投入し、エアフローを改善した。その結果速くなった。彼らがしていたのは排気ガスをリアタイヤの内側に向けてはき出すことである。 こうすることによりリアブレーキダクトに付属する小さなウィングに排気ガスが当たり、ダウンフォースが生み出される。これは直接、タイヤに加わるダウンフォースなのでトラクションの改善に絶大なる効果がある。その結果、レッドブルとザウバーは低速コーナーからの立ち上がりで無敵の存在となった。 さらに彼らはブレーキダクトに当てた排気ガスをリアタイヤ後方に流すことにより、タイヤ後方の乱れた遅い空気を外側に吹き飛ばしている。リアタイヤの後方の空気は、タイヤが乱した空気が存在し、流速が落ちる。そうすると、その横にあるディヒューザーが吹き上げて気圧が下がったエリアに、気圧の高いリアタイヤの空気が流れてきて、気圧が上昇し、ダウンフォースが減る。それを嫌うために彼らは、排気ガスをリヤタイヤの後方に吹き付けて、その空気を外に飛ばしている。 こう書くと簡単そうに見えるが、これを実現するのはかなりの困難である。今シーズンこれをものにしたのは、レッドブル、ザウバー、ロータスの3チームではないかと思われる。この3台は特にシーズン後半にずば抜けた速さを見せた3チームである。 なぜならば以前は排気ガスの出口を自由に設置できたので、どのチームも排気管の出口をリアタイヤの内側直前に設置し、至近距離から吹き出していた。これならば簡単にブレーキダクトに吹き付けることができる。だが今はよりマシンの中央でなおかつ、フロント寄りに排気ガスの出口を設けなければならない。その為に遠い位置からリヤタイヤの内側に排気ガスを吹き出すので、効果を得るのがとても困難になった。 今年のマシンのリアエンドのデザインが横から流れてくる空気を分けるためにトンネルを作って、ウィング下中央へ流しているのは、排気ガスの流れとの干渉を避けたいからである。ただでさえ複雑な空気の流れを分けることにより、より管理しやすくし、排気ガスをリアタイヤの内側に流したいのである。 だがこれを実現するのは本当に難しい。ウィリアムズはこれを目指して挑戦しつつづけた結果、成績がふるわなかった。アメリカGPで諦めて排気ガスをリアウィングの下側に吹き出すようにしたところ、神経質だったハンドリングが改善しボッタスは初入賞を記録した。もし彼らがもっと早くこの事実に気がついていれば、ここまで成績が落ち込まなかった。それくらい諸刃の刃になる技術なのである。 ちなみに来年、排気の出口はマシンの中央部に限定される。その為、さすがのレッドブルも排気ガスをリアタイヤの内側に吹き付けることはできないだろう。レッドブルがもっていた1秒のマージンのうちこれにより0.6~0.7秒ほど稼いでいたと見られるので、来年はもう少し接戦が見られると期待したい。
これはブラジルGP終了後にケータハムが搭載しているルノーエンジンをリミッターを外して回している映像である。この排気ガスのエネルギーをぜひご覧いただきたい。これだけの速度のガスが吹き出るのであるから、ダウンフォースが増えるのは間違いがなく、多くのチームがこの排気を活かしてダウンフォースを増やそうとするのが、理解できる。

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